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国際会長テーマ

2023-2024年度国際会長 テーマ
「われわれは奉仕する」

ライオンズクラブ国際協会 会長

パティ・ヒル

世界を変える 変化は、突如としては起こりません。たくさんの小さな選択を通じて起こります。思いやりの行為の一つひとつを通じて、私たちは人の人生を変えます。
ライオンズクラブとレオクラブの一つひとつを通じて、私たちは地域社会を変えます。
地域社会を変える時、私たちは世界を変えます。

世界を変える

変化は、突如としては起こりません。たくさんの小さな選択を通じて起こります。思いやりの行為の一つひとつを通じて、私たちは人の人生を変えます。ライ オンズクラブとレオクラブの一つひとつを通じて、私たちは地域社会を変えます。

地域社会を変える時、私たちは世界を変えます。

皆の力を引き出す

人を引き上げる ― それが彼女のやり方。

優れた教師、学校管理職、心理学者、スモールビジネス経営者など、さまざまな顔を持つパティ・ヒル。 しかし、何を大事にしているのかと尋ねられた時、彼女の答えにこの華々しい経歴は登場しない。

「私のこの地上での目的は、他の人が力を発揮できるように助けること。それができているか、常に自問しているんです」。 自らに使命と課しているのは、人のポテンシャルを見出し、その人が輝けるような環境を作ってあげることだ。「いつも人の善い部分に目を向けます」。そう彼女は言う。

相手が夢を叶えられるように、自分にできることをする。その信条が、キャリアの一歩一歩を形作ってきた。高校の特別支援学級を教えるように言われ、同意したヒルは、すぐに難聴者教育を主眼とする修士課程に登録した。

駆け出しの教師だった頃、耳の聞こえない叔父のエディから聞いた。教育を受けるため、遠い全寮制の学校に行くのがとても大変だったこと。そこまでしても、学校で手話を使うことが許されなかったこと。 叔父のような生徒たちに、もっと良い教育を与えたかった。

ろう学生の教師として働き始めたある日、学校の心理士から、生徒のテストの結果を見せられる。そこには、「視覚能力は高いが、言語能力の得点は低い」とあった。思わず、手話でこう答えた。 「手話を使ってもいないくせに!」

生徒たちにとって主な伝達手段である手話も使わせてもらえなかったら、実力を出せなくて当たり前だ。彼らには叔父のエディと同じ目に合ってほしくないと考えたヒルは、生徒をもっと正当に評価できるようにするため、心理学の授業を取り始めた。 授業はやがて博士号へと変わり、彼女は公認心理士となった。

カナダのアルバータ州エドモントンにある、重度の発話・言語発達障害を抱える子供たちのための特別学校で、校長を務めた時期もある。さらにその知識と経験を生かして始めたコンサルタント業も、創業から40年以上が経った。児童・青少年とその家族のためのよりよいプログラムを設計・実施できるよう、政府機関を支援している。

パティ・ヒルはその生涯を、世界をよりよい場所にすることに捧げてきた。その過程で彼女が見つけたのが、ライオンズだった。 いや、ライオンズが彼女を見つけたのだ。

世界をよりよい場所にするため

ある日、ヒルのビジネスパートナーの配偶者がライオンズのメンバーであることが分かった。地区のライオンズが人工内耳を必要 とする人のためのチャリティ事業を企画した際、聴覚障害者のコミュニティに造詣の深い人の助けが必要となり、パティにお呼びが かかったのだ。もちろん、彼女は喜んで手伝った。

その後、ヒルがヘリテージスクールの初代校長に就任すると、ライオンズは恩返しを申し出る。「必要なものはありませんか?」ライオンズの協力は有り難かった。しかし、この先は連絡してくることもないだろうと思っていた。

しかし、ライオンズからの連絡は続いた。

しまいには、ライオンズに入会してほしいと言う。諦める様子もない。

生活は間違いなく多忙を極めていた。自分のビジネスと、校長としての仕事に加え、博士号の修了目前。おまけに第一子を妊娠していた。それでも、断ることはできなかった。

1990年、ヒルは、エドモントン・ホスト・ライオンズクラブに入会した。まもなく、そこがただの地域のクラブではないことに気づく。

世界のほぼすべての国で活動する、彼女のクラブと同じようなクラブの、国際的な集まりの一部だったのだ。ライオンズは、いつも彼女がやりたいと思っていたこと、すなわち、「世界をよりよい場所にする」ことを実現するためには最高の場所だった。

当時取り組んだある事業から、ライオンズの底力を思い知らされることになる。エドモントンのある病院には、小児科専用の手術室がなかった。そのため、子供の手術が必要になるたびに、手術機材を手動で調整しなければならない。この作業が、子供たちや親にとってただでさえ辛い体験を、さらに複雑で不快なものにしていた。クラブは、小児専用の手術室を作るのにどれぐらい経費がかかるのか問い合わせた。

返ってきた答えは、30万ドル。

「それでも、私たちはやりました」とヒルは言う。LCIFの支援を受け、クラブで全額集めたのだ。

「この時、ライオンズには真の影響力があるのだと知りました」。

初めての複合地区大会では、この影響力がエドモントンにとどまらないことに気づいた。

会場を歩いて周り、ライオンズがその年に行った様々な事業の展示を見たり、交わされる会話を聞いたりするにつけ、その規模の大きさを実感した。この時、自分は想像よりずっと大きな団体の一端を担っているのだと気づかされた。

「そういうことだったのね」と彼女はつぶやいた。ライオンズが変えていたのは、地域社会だけではなく、世界全体だったのだ。 世界を変えることは、国際会長となった今、ヒルが目指すところだ。

「 私たちの任務は、よりよい世界を築くこと。それが私のあらゆる判断の根拠です。

世界を変える

こんな言葉があります。「大切なのは目的地ではなく、道のりだ」。世界を変えることは、果てなき旅のようなものです。 そこには折り返し地点も、終わりもありません。 しかし、始まりはあります。

小さな社会奉仕を一つ行うたびに、私たちは変化に一歩近づきます。はじめの一歩を踏み出すかどうかは、自分次第です。雨水がバケツを満たすように、私たちはほんのひと雫ずつであっても世界を変えられます。

実際のところ、私たちは皆、決断を一つ下すたびに、世界を変えているのです。真の変化は、私たちがどのような変化を起こしたいのかを意識したときに起 こります。私たちの人生に、そして他の人の人生に、明るい変化を起こそうとする時、私たちは世界に「善」をもたらします。

国際会長のメッセージをパンフレットで見る(29MB)